第2話 「応急処置(RICE処置)とは」

スポーツ現場で「ケガ」がおこった時には、損傷部位の障害を最小に抑えることが必要です。これがしっかり行えれば痛みを減らし、回復が早まるからです。この方法がRICE処置です。RICEとはRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の四つの処置の頭文字を並べたものです。スポーツ現場で最も多い手足の捻挫や肉ばなれなどの「ケガ」で行われます。

 Rest(安静)は、損傷部位の腫れや神経・血管の損傷を防ぐことが目的です。副木(添え木など)やテーピングで固定します。

 Ice(冷却)は、二次性の低酸素障害による細胞壊死と腫脹を抑えることが目的です。ビニール袋やアイスバッグに氷を入れ患部にあてます。20分冷やしたらはずし、痛みが出てきたらまた20分冷やすことを繰り返します。直接氷をあてることはせず、アンダーラップを巻いたり、氷の入った袋をタオルでくるみます。

 Compression(圧迫)は、患部の内出血や腫れを防ぐことが目的です。腫脹すると予想されるところに必ずスポンジやテーピングパッドをあてて、その上からテーピングや弾性包帯で軽く圧迫気味に固定します。循環障害を起こさないよう、時々指先などをつまんで感覚や皮膚・爪の色をチェックしましょう。

 Elevation(挙上)は、腫れを少なくすることが目的です。損傷部位を心臓より高く挙げておくことが大切です。

 RICE処置が行えるように、アイスボックスに氷を入れ、アイスバッグやビニール袋を準備し、スポンジと弾性包帯を用意しておきましょう。