第15回 くつま整形外科スポーツクリニック講演会


平成16年9月27日(月)
講師;エルシオ氏 清水エスパルスサッカーチーム フィジカルコーチ

 講演内容:サッカー選手の育成は、年代により目的も方法も異なる。

  1. 7−10歳:基本動作の習得が主眼であり、ストレッチ・コーディネイション・バランス・スピードの訓練を行う。年間100−300時間の練習。
  2. 11−14歳:練習の質・量が向上する。ただし、怪我の予防に絶えず気をつける。そのためにメンタルケアも大切になる。有酸素運動が主体であるが、徐々に無酸素運動(スプリント系)を加える。
  3. 15−17歳:ユース世代になると各部位の筋トレが始まる。新しいスキルは身につかなくなるが、筋の持久力は向上する。練習の強度を上げ、責任感の重い試合をこなすようにする。したがってメンタルケアの必要性が高まる。週に4−6日、60−100分の練習を続ける。選手のパフォーマンスや身体的変化を記録する事が重要。
  4. 18−20歳:トップチームとして耐えられる体力・筋力を確立する。精神力も完成させる。定期的なメディカルテストや体力測定を行い、日常生活レベルや食生活、生活習慣まで、必要であれば指導する。

 フィジカルパフォーマンスとは、身体能力・技術・試合戦略・精神力の総合で決まる。これを高いレベルで維持するために、フィジカルコンディションの向上が不可欠である。フィジカルコンディションは、練習・栄養・休養・精神的状況の四つで形成される。すなわちどれが欠けてもコンディションは落ちてくる。
 私は、試合の前のコンディショニング作りとして、2分間選手に目をつぶらせイメージトレーニングで勝利の意欲をわかせ、集中力を高めている。その後、ストレッチ、ランニングを10分間、そしてボールを使ったエクササイズを10分間、最後に5分間ボールを自由に蹴らせている。
 試合から次の試合までの練習は、休養とストレッチから始まり、週の真ん中ではラダーを使ったコーディネーションを行う。また、毎日の練習では最後に必ずミニゲームを行っている。
 そして最も大切な事は、選手がサッカーの楽しさを失わない事。サッカーを通じて技術的・人間的な向上心を持ち続ける事である。

 

 

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